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ボケ~パンフォーカス、被写界深度がもたらす映像表現の奥深さ。

記事作成日:2019/08/14

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菅井 順一

菅井 順一

ボケ~パンフォーカス、被写界深度がもたらす映像表現の奥深さ。

人間の眼をレンズに例えると…
さて、みなさんは人間の眼の性能をレンズに例えたことがありますでしょうか?スマホのカメラから本格撮影用一眼(レフ)カメラ、までお使いになられてるでしょうが意外とスルーしている本質的なことをご紹介します。

人間の画角は何ミリ?

よく人間の眼の視野は35ミリフィルム(フルサイズ受光素子)用レンズの50ミリだと言われています。50ミリレンズが「標準レンズ」と呼ばれるのも要因の1つです。ほかにも35ミリサイズのフィルムの対角線の長さが標準レンズという基準を打ち出しているメーカーもありました。その場合の画角は43ミリ。理論上はこれも標準に値するのですが、他メーカーへの広がりはありませんでした。

 

人間の眼のF値は?

その標準レンズを基準にするとF値1.0が人間の絞り解放に相当すると言われています。私が持っている50ミリでも一番明るいのはF値1.4だからまだまだ暗いのですね。(ちなみにおおむかし、ライカからノクチルックスというF値0.95のレンズがありました。いまでもあるのかな?)ちなみに視野率100%のファインダーが付いてるボディに50ミリで解放値がF2未満の明るいレンズをつけると両眼を開けたままで撮影できるので楽しいですよ!(個人的感想ですが…)

 

ボケとパンフォーカスとは?

この被写界深度は写真でも映像表現でも絵作りに大きく関わります。最近またマグナムのアーカイブを見直しているのですが、フレーミングやレンズの画角と共に被写界深度のあり方が被写体の主語性と関わっていることを感じます。現代で分かりやすく例えると蜷川実花とヨシダナギ。二人の写真は色要素が多くそして強いのですが蜷川実花は被写界深度を深めにとりシャープな印象を与えます。しかしながら背景部についてはボケ方がいきなり強くなります。いっぽうヨシダナギは超広角レンズ(もともとパンフォーカスになりがちだが)でギリギリまで絞り込んでいます。写真としては別ジャンルですが、撮影手法として比較するとおもしろいですね。さて、この2枚の写真は同じシーンですが、標準レンズで【絞り開放】と最大限に【絞り切って】います。ボケる良さ・ボケさせない良さ。表現はたくさんあります。それにしても50ミリレンズは使っていて楽しい…

フルサイズの受光素子を備え動画性能もかなり高性能になった一眼カメラが普及している現在、被写界深度が浅く撮影できるようになりました。

むかし、ジェーンカムピオンの映画に被写界深度のことだけを考えている少年のモノクロ短編がありました。
主人公の少年は片眼を閉じ、握った手前のスプーンと奥のスプーンを同時にピントを合わせられないかと悩するストーリー。映画監督がこれだけをテーマに作品を作ることに意味を感じます。

作家性が高い人ほど被写界深度も絶妙にコントロールし自分の作風にしています。
この塩梅はまさに自家薬籠中。奥が深い映像表現です。試してみると映像のおもしろさも広がりますよ。

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