マニュアル動画の制作方法とは?メリットとデメリットも解説

近年は外国人労働者が増えたことも影響して、従来の書類資料によるマニュアルだけでは不安が残るという企業経営者・労務担当者が増加傾向です。また、複雑な手順や操作が必要となる業務の場合、イラストやテキストだけでは理解しづらい可能性があります。
そのような従業員の研修マニュアルに関する悩みを解決する方法のひとつが、マニュアルを動画化することです。複雑な操作も視覚的な解説で分かりやすく伝わるため、トラブルや事故の回避につながります。
ここでは、マニュアル動画の種類や制作方法、メリット・デメリットについて紹介するため、ぜひ参考にしてください。
~ 目次 ~
1.マニュアル動画の種類
マニュアル動画には、さまざまな種類があります。動画の中に従業員が登場し解説するものや、イラストやアニメーションを使ったものなど、マニュアル動画の用途・目的や企業イメージに合わせて制作することが可能です。
一般的な企業で必要となる動画マニュアルには、「業務手順マニュアル」と「研修マニュアル」の2種類があります。
1-1.業務手順マニュアル
業務手順の紹介に特化したマニュアル動画が、「業務手順マニュアル」です。書類資料や口頭で説明するよりも全体の流れや動きが伝わりやすく、教育係の負担軽減につながります。
たとえば工場のライン洗浄作業は、デリケートな機械を磨くため、正しい手順・方法どおりに洗い、分解した部品を正確に組み立てなければなりません。動画で解説することにより、磨く手の動きや組み立てる部品の順番が理解しやすくなるため、事故や故障のリスクを軽減できます。
1-2.研修マニュアル
社員研修を目的として作成する動画が、「研修マニュアル」です。新社会人向けのものであれば、名刺交換の方法や電話対応の見本など、基本的なビジネスマナーについての解説動画があります。
研修マニュアルはテーマ別に作ることが一般的で、ビジネスマナー講座や企業理念紹介だけではなく、業務改善の啓発など既存社員向けの動画も制作することが可能です。さらに、従業員の指導を担当する教育係や幹部へ向けた動画を制作することもあるため、研修マニュアルの活用シーンは多岐にわたります。
2.マニュアル動画の制作方法
業務手順や研修内容を紹介するマニュアル動画は、一見するとテキストを動画化する程度の単純なものに思われるかもしれません。しかし、マニュアル動画を安易な計画をもとに制作すると、内容がまとまらず分かりづらい動画となってしまう可能性があります。
マニュアル動画としての役割を十分に果たせる動画を作るためには、正しい手順に沿って制作することが大切です。伝わりやすい内容にするためのコツについて、意識すべき5つのステップに分けて紹介します。
2-1.企画・構成案の作成
第一の作業は、マニュアル動画の目的をもとに企画・構成案を練ることです。マニュアルといっても幹部用・一般社員用・新入社員用・アルバイト用などと種類は多岐にわたります。ターゲットに合わせた内容で制作するために、以下のポイントを整理しましょう。
・誰が見るのか(幹部・一般社員・新入社員・アルバイト)
・いつ(採用時・異動時)
・どこで(社内・現場・自宅)
・何のために(社内ルールを教えるため・業務改善を啓発するため)
マニュアル動画を制作するときの注意点は、ひとつの動画でひとつのテーマに絞ることです。新人教育向けの動画を作る場合は、応用的なテーマを盛り込むのではなく、最後まで一貫して新人目線の動画を心がけましょう。
2-2.台本の作成
必要なシーンを漏れなく撮影するためには、台本が必須です。短い内容のマニュアル動画を制作する場合であっても、台本は必ず用意しましょう。一般的な動画の台本には、次の事柄が盛り込まれています。
・資料映像に何を入れるのか
・テロップを挟むシーンはどこか
・図表を挿入するタイミングはどこか
・ナレーションには、どのようなセリフを入れるのか
動画の内容が支離滅裂にならないよう、資料映像・テロップ・図表の順番だけではなく、ナレーションのセリフもあらかじめ決定しておくべきです。動画のターゲットに合わせて、スピード感やセリフの言い回しを工夫して、台本を制作しましょう。
2-3.撮影
完成した台本をもとに、撮影へと入ります。撮影時の注意点は、定点で録画し続けないことです。たとえば接客係のマニュアル動画を制作する場合、全体像を淡々と流してナレーションするような内容の動画では、途中で飽きられてしまいます。
同じシーンをさまざまなアングルで撮影し、編集でメリハリを出せるようにしましょう。意識すべき点をズームで撮影するなど、動画素材を多く用意すると編集段階で困ることがありません。
撮影場所の環境も重要です。ノイズや影が入らないように、雑音が少なく明るい場所を選びましょう。
2-4.装飾
動画にメリハリを持たせるために、装飾作業を行います。ここでの装飾とは、動画に入れるナレーションやテロップ、画像やテキスト素材を用意する作業です。
ナレーションやテロップなどをマニュアル動画に盛り込むことで、視覚だけではなく言葉による説明が加わるため、さらに分かりやすくなります。ナレーションやテロップの完成度は、動画全体の流れやクオリティに影響を与えるため、プロの力を借りることがおすすめです。
2-5.編集
最後のステップが、動画の編集作業です。撮影したシーンを適切な位置でカットして順番を入れ替えて、つなぎ合わせることで分かりやすいマニュアル動画が完成します。制作したナレーションやテロップとの整合性を意識しつつ、効果音・音楽を入れて全体的にまとまりのある内容に仕上げましょう。
編集作業を上手に進めるポイントは、台本執筆者や撮影者とは異なる人物に編集作業を任せることです。第三者目線で編集してもらうことで、台本や撮影の段階では気づけなかった問題点を解消できます。
3.マニュアル動画を制作するメリットとデメリット
マニュアル動画は細かい部分まで視覚的に伝えられるなどのメリットがある一方で、いくつかのデメリットがあります。
ただし、マニュアル動画のデメリットは、コスト面での問題ではありません。確かに、マニュアル動画を制作するためには、一定の費用が必要となります。
しかし、マニュアル動画を一度制作することで、長期的に見ると教育係に割く人件費の削減につながるため、一概にコストはデメリットと言えません。
ここでは、マニュアル動画を活用することによって生じうるメリット・デメリットについて、2つずつ紹介します。
3-1.マニュアル動画のメリット
マニュアル動画を活用するメリットの中で、特に大きなものとしては以下の2点が挙げられます。
・視覚的な説明で理解しやすい
・場所や時間を選ばずに利用できる
テキスト・画像ではカバーしづらい細かな動きや手順について、視覚的に説明できるという点が、マニュアル動画の最も大きいメリットです。「このような音が鳴った後に、このボタンを押す」など動画ならではの説明が行えるため、日本語が苦手な外国人スタッフに対しても正確に教育できます。
また、動画投稿サイトやクラウドを活用して特定のユーザーのみが視聴できる動画をインターネット上にアップロードすることが可能です。インターネットを活用した動画配信を行うことで、場所や時間を問わずマニュアル動画を視聴できるため、従業員を一ヶ所に集めて研修を行う必要はありません。
3-2.マニュアル動画のデメリット
手軽に業務内容を学べるマニュアル動画にも、いくつかのデメリットがあります。従来型の研修に比べて、マニュアル動画を活用することで生じる代表的なデメリットは、以下の2点です。
・後で見返すときに時間がかかってしまう
・多くの情報を伝えることは難しい
書類資料のように目次がない動画は一部分のみを見たいときに、該当シーンを探そうとすると、時間がかかってしまいます。また、分かりやすさを重視して制作するマニュアル動画は、情報の取捨選択を行わなければならず、多くの情報を盛り込む場合には不向きです。
このような動画のデメリットを克服する方法としては、補足部分を書類資料で説明したり、目次替わりとなる時間指定リンクを動画に設けたりすることで、対処できます。
まとめ
社員研修にマニュアル動画を活用することで、書類資料や画像による説明に比べて、視覚的に分かりやすく従業員の教育が行えます。そのため、社員研修にマニュアル動画を取り入れる企業が増加傾向です。
しかし、書類資料のマニュアルを動画に変換するだけでは、効果的なマニュアル動画は制作できません。動画マニュアルの強みを最大限引き出すためには、制作の手順・ポイントを踏まえて作業を進めることが大切です。
制作手順やポイント、メリット・デメリットを踏まえて、社員研修に効果的なマニュアル動画を作りましょう。
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