言語の視覚的表現ツール、書体について。|年間実績220本以上 大阪の映像制作・動画制作会社 シードアシスト

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言語の視覚的表現ツール、書体について。

記事作成日:2019/02/06

記事を書いた人
菅井 順一

菅井 順一

まだPCが無かった学生時代に圧倒的に文字に触れていた媒体は本でした。
読書時にはあまり気にしなかった文字の形「書体(フォント)」。
手書きからPC入力へとツールが変わってからから
「書体(フォント)」という言葉を耳にするようになり、
その概念や違いなど「書体」の実態が一般の方にも広く認知され
雑誌やポスター、テレビや動画など映像表現にも豊かな表情を作り出してくれます。
ここで書体に向き合うにあたり書体についての基本を私なりに認めてみました。

書体の印象<映像制作時の注意点>

みなさんご存知かと思いますが、日本語書体として有名なのが

■明朝体
■ゴシック体

があります。このコラム最上部の弊社名の上半分が明朝体、下半分がゴシック体です。
(これらは書体が設計された左右天地幅がそのままの状態なので「正体」と呼びます)
また、書体を開発販売しているメーカーや種類により、様々な明朝体やゴシック体があります。

書体のチョイスは、テロップづくりにおいて視聴者へ伝わる印象の方向付けになります。
たとえばウエイトが軽い(細い)明朝体は、緊張感やスピード感のあるキリッと真面目な印象を与えますが、
ウエイトが重い(太い)とドッシリとし、やや古めかしい時代感を与えます。
いっぽう、ゴシック体のウエイトが軽いと優しさに繊細さ加わり視覚的な心地よさが生まれます。
ウエイトが重くなると安定感と視認性、クセのないアピール力など高い訴求性が魅力です。
(※各メーカーや種類により書体の印象は異なる場合もあります)

 

 

■長体

文字が縦長に見えますね。
文字横幅を80%まで縮小してみました。
このように縦長に見えるようにした文字を「長体」と呼びます。

本来の書体の印象を保ちながらも、これ以上長体をかけると70年代の香港カンフー映画のエンドロールクレジットのように、文字が貧弱になり古さを感じさせます。文字レイアウトで左右幅が限られている時、長体をかけて無理矢理スペースに入れてしまうこともあります。長体にする時は狙いなのか、ただの都合なのか。理由をよく考えて長体をかけないと折角の映像も印象が思わぬ方向へ変化しがちです。とくにウエイトの重い明朝体は野暮ったい印象も与えがちなのでいっそう注意が必要です。

映像のテロップでは、強調する場面や文字数で「圧」をかける時にゴシックの長体が多用されます。
さらに袋文字処理とコントラストのある色の組み合わせが多いです。
(下記の例は左右幅50%、二十袋文字にしています)

 

■平体

こちらは横長に見えます。
文字の天地幅を80%まで縮小しました。
このように平べったく見えるようにした文字を「平体」と呼びます。
本来の書体が持つ雰囲気とは違った印象になりますね。
こちらはスペースの都合で天地幅が狭くなることは少なく、
むしろ意図的に平体をかけることが多いです。

静けさや聡明さ、冷酷さ、シニカルさを感じさせてくれます。
それゆえ、テロップでは見かけることはあまりありません。
長体が持つ「圧」はありませんが、「静けさ」が空気感を醸し出してくれます。
(下記の例は天地幅75%、K35%グレー帯に配置)

 

みなさんは正体からの長体・平体にどのような印象を持ちましたか?
左右天地幅以外にも傾体をかけたり字間を変更したり行間を変えたり...
文字だけでも様々な表現が可能。映像表現の主役は撮影した映像と企画構成力だと思います。
書体はビジュアル構成要素のなかでも視覚に意味を訴える超一級の脇役でしょう。
だとすれば書体は人格も表現することができます。

たとえばこの孫(ゴシック)と祖母(明朝)の設定で、

ゴシックと明朝の使い分けで人物像もある程度限定することもできるのです。

 

書体の流通頒布形態

書体にはPC購入時に数は少ないですがフォントがインストールされています。
必要な書体をフォントメーカーから購入やサブスクリプションで増やしていくことができます。
また、検索すればフリーフォントもたくさん見つかります。
一般的にメーカーフォントは商業デザインに対応するよう実用的なつくりで、収録文字数も豊富です。
フリーフォントはユニークで個性的なデザインが多いですが、収録文字数は少ない傾向にあります。

ご参考までに主要なフリーフォントサイトをご紹介します。

FONT BEAR (和文・欧文・商用利用もあり)
https://fontbear.net/

FONTDASU(商用利用もあり)
http://fontdasu.com/

FONTFREE(商用利用もあり)
http://fontfree.me/

ほかにもたくさんありますが、みなさんも探してみてください。

 

書体の「使用許諾範囲」について

最後にライセンスについて注意事項です。
映像のテロップを入れる際、PC内の書体を使用しますが
書体はメーカーから購入したからといって[何に使ってかまわないわけではない]ことを
ご存知でしょうか?
じつは、書体にはメーカー・製品ごとに定められた「使用許諾範囲」があります。
商品名や広告、印刷物などの平面デザインだけでなく映像での使用が可能なものもあれば。
放送局、制作会社などを対象にタイトル毎の許諾契約が必要な書体もあります。
またフリーフォントでも「個人使用は可能、商業利用は不可」や「商業利用の際は作者まで一報を」
などといった規定を表記している場合も多数あります。
またそれが海外の方が作られた書体となると確認が...
新しく書体を追加する場合は必ずライセンスの確認が必要です。

身近でありながら、書体という視点から見ると様々な要素を内包しています。
映像の世界は様々な要素が入り交じり、おもしろいですね。

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