動画広告のフレームワーク!構成のポイントと選び方を解説
動画広告で成果を上げるためには、要点を押さえた構成作りが重要であり、構成の組み立てに役立つのがフレームワークです。
この記事では、基本的な3つのフレームワークを紹介するとともに、フレームワークの選び方についても解説します。
また、構成作りのポイントにも触れていますので、初めて動画広告を制作する方や構成作成にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目 次
動画広告のフレームワークとは
フレームワークとは、「どのような順序」で「どのような内容」にするかを決めるために用いられる構成パターンのことです。
消費者の興味をひき、理解や共感を得てコンバージョン(成果)などを目的とする動画広告では、フレームワークに沿った訴求の仕方や展開が重要となります。
また、フレームワークは、動画広告の効果を大きく左右するため、商品やサービスにあったフレームワークを選ぶことがポイントです。
そこでまずは、基本となる3つのフレームワークについて次項で詳しく解説します。
・ABCDフレームワーク
・CAMS(キャムズ)フレームワーク
・AIBAC(アイバック)フレームワーク
【1】ABCDフレームワーク
ABCDフレームワークとは、効果的な動画広告に求められる要素のことです。頭文字である「A」「B」「C」「D」は、それぞれ以下を表します。
・Attract(ひきつける)
・Brand(ブランド)
・Connect(つながる)
・Direct(誘導する)
また、ABCDフレームワークはGoogle社が推奨するフレームワークでもあり、商品購入やサービスの申し込みといったコンバージョンにつなげるためのフレームワークとなっています。次項で詳しくみていきましょう。
Attract(ひきつける)
「Attract」の重要項目
・構図:商品や人物をアップで映す
・ペース:最初の5秒間で2つ以上のシーンを用いる
・人物:冒頭に写し、できれば人物から視聴者に語りかける演出にする
動画では、冒頭の5秒が重要といわれており、冒頭で視聴者をひき込めなければ最後までみてもらえる可能性が低くなってしまいます。
そのため、上記の3つを満たすことが重要です。「寄り」のショットで伝えたいメッセージを主張し、興味をひき込める工夫を意識してみてください。
Brand(ブランド)
Brandで重視する内容は、商品やサービス、ブランドを視聴者に認知してもらうことです。「どのような商品・サービスの動画なのか」がわかるよう、動画を展開します。
特に、YouTube動画では、視聴者が広告をスキップできない冒頭の5秒間で「Attract」とともに入れておきたいパートです。
具体的な方法として、ロゴを画面中もしくは左側に配置する、商品やサービスの登場頻度を多くするといった例があげられます。
Connect(つながる)
Connectは、視聴者とのつながりを意味します。視聴者の共感を得られるようにしたり、届けたいメッセージを絞り込んで伝えたりするようにしましょう。
具体的には、冒頭に人物を登場させ視聴者が感情移入しやすいようにする、エフェクト、BGM、SEなどを用いる、といった方法があります。
視聴者の心を動かし、ポジティブな感情を抱いてもらえれば、広告配信の目的が果たされやすくなります。
Direct(誘導する)
Directは、視聴者に期待する行動を具体的に提示して促します。「CTA(コールトゥアクション)」と呼ばれる「購入はこちら」「詳しくはWebで」といったものです。
誘導方法は、文字だけでなく音声やアニメーションなどもあります。
また、「数量限定」「期間限定」などのフレーズを使って、視聴者に切迫感を与えることも効果的です。
【2】CAMS(キャムズ)フレームワーク
以下の頭文字を使ったものが、CAMSフレームワークです。
・CATCH(つかみ)
・APPEAL(ベネフィットの紹介)
・MOTIVATION(動機付け)
・SUGGEST(行動の提案)
シンプルなフレームワークで、視聴者を行動に結びつけやすいため、評価と改善がしやすい内容といえます。次項で、それぞれの要素を確認していきましょう。
CATCH(つかみ)
CAMSフレームワークにおいても、前述したABCDフレームワークと同様、最初に興味を持ってもらうことが重要です。冒頭のワンシーンで視聴者の心をつかめれば、最後まで視聴してもらえる可能性が高まります。
具体的には、ユーザーが抱いている悩みや課題を提示し、共感を得ることを狙いましょう。
例えば、着圧ソックスなら「夕方になったら足がむくむ」、冷え対策グッズなら「手足が冷たくて眠れない」など、ユーザーが実際に抱えている悩みを具体的にあげると効果的です。
APPEAL(ベネフィットの紹介)
サービスやブランドが、ユーザーの悩みを解決するために役立つのかを伝えていくことが、APPEALで重要なポイントです。
具体的には、CATCH(つかみ)のパートで提示した視聴者の悩みに対し「あなたには、こちらの商品がおすすめです」と紹介します。
商品やサービスを押し出していくことはもちろん、社名も印象に残るようにするとよいでしょう。
MOTIVATE(動機付け)
MOTIVATEは、視聴者の不安を解消する情報を伝え、行動につなげるためのパートです。
具体的には、実際に利用した人の声や販売数など説得力のある情報のほか、「新発売」「期間限定」のように購買行動を促すようなフレーズを伝えます。
「商品やサービスに興味はあるものの、購入に踏み切れない」という消費者に向け、補足的に盛り込む部分であるため、必要な内容に絞って伝えるようにしましょう。
SUGGEST(行動の提案)
SUGGESTは、視聴者に「商品やサービスを購入するには、何をすればよいのか」を簡潔に提示する部分です。
どのような行動をとれば、結果として何を得られるのかをシンプルに示しましょう。
例えば、「購入は概要欄から」「〇〇というキーワードで検索」など、購入のために消費者が行うべき行動を簡単かつ具体的に伝えます。
【3】AIBAC(アイバック)フレームワーク
動画広告自動制作ツール「RICHIKA」が推奨している新しいフレームワークがAIBACです。10万本以上の動画広告制作実績をもとに作成され、以下の頭文字で消費者の購買行動を表します。
・Attention(注意喚起)
・Interest(興味関心)
・Benefit(利益)
・Action(行動喚起)
また、各パートにおいて有効なメッセージや訴求内容を具体的にまとめたAIBAC DICTIONARY 動画広告クリエイティブ100のTIPSが公開されています。動画広告を作成する際のポイントが、誰でも簡単にわかるようになっています。
動画広告のフレームワークの選び方
どのフレームワークを適用すべきかは、広告の種類によって異なります。
コンバーションの獲得を重視するなら、ABCDかCAMSがよいでしょう。2つのうちどちらがよりよいかは動画の長さで選ぶのがおすすめです。
尺が長い場合はABCDフレームワーク、短い場合はCAMSフレームワークを用いて、動画の長さにあわせ「SUGGEST」を省略してみてください。
また、SNS広告ならAIBACがおすすめです。フィード面など縦長表示される画面で、短い時間でも最大限アピールできます。
動画広告成功の鍵は構成!作り方のポイント
動画広告成功のポイントとして、以下の4つがあげられます。
・目的やターゲットを明確にする
・掲載場所にあわせた内容にする
・一つの動画にメッセージを詰め込みすぎない
・成果にあわせて作り直しが可能な構成にしておく
目的やターゲットを明確にする
何のために動画広告を利用するのかを明確にしておきましょう。
具体的には、「会社の知名度をアップさせる」「公式ページへのアクセスを増やす」などがあげられます。
また、ターゲットの選定も重要です。ターゲットに応じて作るべき動画のテイストやメッセージが変わります。性別や年代、職業、趣味、嗜好などをできるだけ細かく設定し、誰に対してアピールしていくのかを明確にしてください。
掲載場所にあわせた内容にする
掲載場所によって、動画のサイズやフォーマットは異なります。形式があわないと、掲載できない動画になる可能性があるため注意が必要です。
また、再生時間も意識しなければなりません。例えば、Instagramのストーリーズであれば、すぐにスキップされる可能性があるため、最初の2秒間で興味をひくような工夫をするのが効果的です。
さらに、掲載場所によって好まれる内容も違います。X(旧Twitter)は流行に乗ったもの、Facebookはビジネス色の強いものなど、掲載場所の特徴を踏まえて作成することが大切です。
一つの動画にメッセージを詰め込みすぎない
動画広告の再生時間は、15秒から30秒程度のものがほとんどです。
しかし、短い再生時間の中に複数のメッセージを詰め込もうとすると、何を伝えたいのかわからない動画になってしまいます。
広告動画につき訴求ポイントを一つに絞って、問題提起や動機付けをしていきましょう。
成果にあわせて作り直しが可能な構成にしておく
構成を考える際は、フレームワークに沿ったうえで、ターゲットとその悩みにあわせて各パートを組み立てていくとよいでしょう。各パートでの訴求内容や要点を整理しておくことで、仮説検証がしやすくなります。
複数のパターンを作成した場合の効果検証もしやすく、本当に効果的な構成をみつけやすいです。
成果がでなかった場合にも、どの部分がよくなかったのかを検証しやすくなります。
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