カット編集のコツとは|実践的なテクニック9選も紹介
動画制作では、カメラで撮影した映像をそのまま使うことはほとんどなく、カット編集を入れることが一般的です。カット編集は、撮影映像の中で好きなシーンをつなぐ編集テクニックであり、視聴者を引きつける動画コンテンツ制作に欠かせない方法といえます。
しかし、動画制作を始めたばかりの場合、カット編集を行っても上手く映像をつなげられない人は多いのではないでしょうか。
今回はカット編集を行うメリットや主なテクニック、カット編集のコツなどを解説します。
目 次
1.カット編集とは|2つのメリットも解説
動画制作のために撮影した映像には、そのまま使うと冗長となるシーンが多く含まれています。カット編集とは、編集ソフトで映像中の不要なシーンを削除し、必要なシーンだけをつなぎ合わせる編集技術です。
以下では、動画作成におけるカット編集のメリットを2つ紹介します。
1-1.手間がかからない
動画編集で手間がかからないことは、カット編集を行うメリットの1つです。
動画の編集作業では、撮影した録画データを予定の再生時間に合わせて短く調整します。
しかし、動画撮影したままのデータは大幅に長いことが普通であり、再生時間の長さまで調整することは困難な作業です。動画編集は時間が限られているため、スムーズに進める必要もあります。
カット編集は不要なシーン・必要なシーンを決めるだけであり、編集に余計な時間がかかりません。使用するシーンさえ決定すれば、あとはシーンをカットしてつなぎ合わせるだけで作業が済みます。
1-2.視聴者の邪魔にならない
編集ソフトには、フェードイン・フェードアウトやワイプ、3Dエフェクトの合成など、さまざまな編集技術や効果機能があります。
とはいえ、多彩なテクニックや動画素材を用いて加工編集しても、視聴者にとって魅力的な動画になるとは限りません。映画や芸術的な映像作品でもない限り、視聴者は自分の知りたい情報・内容がわかりやすい動画を魅力的に感じるためです。
カット編集は映像をカットしてつなぎ合わせるだけであり、極端に派手な演出効果などは生み出しません。明確なコンセプトと構成がある動画を、カット編集によりシーンをテンポよくつなげることで、情報を求める視聴者にとって魅力的な動画が作れます。
2.カット編集のテクニック9選
- ①スタンダードカット
撮影した動画の中で、視聴者に見てほしい2つのシーンを1つにつなげるテクニックです。必要なシーンだけをつなげるため、情報量が多い動画を作ることができます。スタンダードカットはカット編集の基本的なテクニックであり、動画を単純に短くしたいときに便利です。
- ②ジャンプカット
ジャンプカットは、長めのシーンに余分な間が入らないよう適宜カットするテクニックです。たとえば会話する動画には、沈黙や言葉のつまりなどがいくつも入ることがあります。不要な短いシーンをジャンプするようにカットすることが、ジャンプカットの使い方です。
- ③Jカット
シーンをつなぎ合わせたときに音声カットのタイミングをずらし、前部シーンが終わっていない状態で後部シーンの音声を流すテクニックです。次シーンの音声を先に聞かせることで、視聴者が動画に没入しやすくなります。
- ④Lカット
Jカットとは逆に、前部シーンの音声を後部シーン冒頭まで流すテクニックです。前部シーンの余韻を残しながら次シーンへつなげることができ、場面転換が難しいときに役立ちます。後部シーンでは前部シーンの音声を受けるように編集すると、スムーズな場面転換ができます。
- ⑤アクション合わせ
アクション合わせとは、登場人物が動くアクションシーンに別のアクションシーンをつなぎ、連続したアクション画面として見せるテクニックです。アクションシーンのつなぎを自然に見せるためには、複数アングルでのカメラワークが必要となります。
- ⑥クロスカッティング
2つ以上のシーンが交互に映るようつなぎ合わせて、複数シーンが同じ時間帯で同時進行していると印象付けるテクニックです。異なるシーンを関連付けることで、ストーリー性の高い動画を作成できます。
- ⑦カットアウェイ
カットアウェイとは、メインとなるシーンに別シーンを一時的につなげるテクニックです。挿入するシーンの長さによって緊張感を演出したり、登場人物の心情を描写したりといった使い方ができます。
- ⑧モンタージュ
モンタージュは、アングルや場面が異なる複数のシーンをジャンプカットでつなぎ合わせるテクニックです。重要ではないものの視聴者に見せたいシーンを、短くジャンプカットでつなぐことで、時間などの移り変わりをスムーズに表現できます。
- ⑨マッチカット
マッチカットとは、類似する被写体・カット・音声などを含めて、2つ以上のシーンをつなぎ合わせるテクニックです。マッチカットによりつなぎ合わせた動画は、類似の要素から関連性を印象付けることで、ストーリー性を高められます。
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3.カット編集で動画を作成する際のコツ
カット編集は異なるシーンをつなぎ合わせる手法ですが、上手に使わなければつなぎが不自然に見えてしまいます。つなぎを不自然にせず、視聴者を引き込むためには、カット編集におけるコツを押さえる必要があります。
ここからは、カット編集で魅力的な動画を作成できる3つのコツを紹介します。
3-1.オーディオの波形を見ながら編集する
カット編集で映像をカットすると、セリフなどの音声も一緒にカットされます。映像を区切りのよいところでカットしても、音声が途中でブツ切りになっては、自然なつなぎとはなりません。映像・音声ともに自然なつなぎにするためには、オーディオの波形を見ながら編集することが重要です。
オーディオの波形を見てみると、音声が出ている箇所は波形が大きく、音声が無音に近い箇所は波形が小さくなっています。映像でカットしたい箇所の波形を見て、波形が小さいところでカットするようにしましょう。
映像だけを見てカットすると、パソコンのスペックによっては音声のズレが起こる可能性があるため、オーディオの波形を見ながら編集する手順がおすすめです。
3-2.演出を考えながら編集する
カット編集は基本となるスタンダードカットで進めることが多いものの、ただ不要なシーンを削るだけでは緩急のない動画となるおそれがあります。視聴者にとって魅力的な動画を作るために、注意を引ける演出を考えながら編集しましょう。
「演出」といっても、複雑な技術やエフェクトを駆使する必要はありません。
カット編集にはさまざまなテクニックがあり、シーンのつなぎ方やタイミング調整によって必要な演出を施すことができます。基本的なテクニックをしっかりと学び、カット編集を使いこなせるようにしましょう。
3-3.カットを多めに挟んで編集する
カットを多めに挟んで編集することが、魅力的な動画を作るためのポイントです。
カット編集によって余分なシーンが少なくなると動画のテンポがよくなり、視聴者が引き込まれる作品を作れます。
たとえば会話を入れる動画であれば、音声がない時間はなるべく減らしましょう。
アクション系の動画では動きがないシーンをカットし、アングル変更も入れると、映像にメリハリをつけることが可能です。
カット編集を多く挟むと、動画編集にかかる手間を少なくすることもできます。
動画編集に欠かせないカット編集を活用し、魅力的な動画を作成しましょう。
まとめ
カット編集とは不要な部分をカットし、必要なシーンだけをつないで動画を作成する編集技術です。カットとつなぎ合わせだけのため編集の手間がかからず、視聴者の邪魔にならない演出ができるというメリットがあります。
ただし、カット編集で失敗しないためには、オーディオの波形を見ながらカットを行うことが大切です。
動画の演出を考えながら、今回紹介したカット編集のテクニックを使用してみてください。カット編集で動画のテンポをよくすることで、視聴者を飽きさせない動画づくりができます。
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