テレビCMにおける音楽の効果とは?相性が良いプロモーションを紹介
ふと気が付くと、CMソングを覚えていたり、口ずさんでいたりする経験がありませんか?覚えやすくインパクトのあるCMソングや音楽は、商品やサービスを覚えてもらうために有効な手段となります。
そこでこの記事では、テレビCMにおいて音楽が与える効果を解説するとともに、CMソングを制作する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
さらに、アーティストを起用する場合の注意点についても触れていますので、テレビCMの制作をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目 次
テレビCMにおける音楽の効果
テレビCMにおける音楽の効果には、主に以下の2つがあります。次項で詳しく見ていきましょう。
・視聴者の感情を動かす
・視聴者の記憶に残りやすくなる
視聴者の感情を動かす
音楽は日常生活で気分転換の手段として広く利用され「この曲を聞くと癒やされる」「あの曲を聞くとやる気が出る」など、曲調や歌詞によってさまざまな気持ちをもたらします。これはテレビCMも同様で、短い時間であっても視聴者の心理に働きかけ、深い印象を与えるのです。
音楽のジャンルによって効果は異なりますが、例えばポップな曲には人々の感情を動かす力があったり、反対に心地が良いスローテンポな曲には心を落ち着かせるなどの効果があります。
どちらにしても、音楽がきっかけで視聴者にポジティブな引っかかりを与えられれば、宣伝効果をより高められる可能性があるでしょう。
視聴者の記憶に残りやすくなる
五感の中でも、聴覚と視覚は記憶と結びつきやすいといわれています。特に音楽は、長期記憶と深く結びつきやすい性質があります。長期記憶とは、脳に取り込まれた情報の中で重要なものが長期間保持されることです。
例えば、キャッチーなメロディーやリズムでCMの内容を理解しやすくすると、視聴者の記憶に残りやすくなります。
映像と音楽をリンクさせることで、視覚と聴覚の両方から五感を刺激できるため、結果的にこれが効果へとつながるのです。
近年は音楽を主軸としたCMがヒットする傾向にある
CM総合研究所が2001年から2021年にかけて調査したデータによると、CM好感度に対する「音楽・サウンド」の割合は、2001年度の17.4%から直近では28.7%と大幅に増加しています。
また、CM好感度トップ100作品での「音楽・サウンド」の割合では、2014年度を境に右肩上がりです。こうしたデータから、近年は音楽を主軸としたCMが視聴者に好感を与え、ヒットする傾向にあることが分かります。
さらに、SNSや動画共有サイトの普及により、CMソングが独立したコンテンツとして拡散されやすくなっていることも一因となっているでしょう。CMソングがヒットチャートに登場することも珍しくなくなり、CMの認知や好感度向上につながっています。
洋楽や歌などの音楽と相性が良いプロモーション
続いて、洋楽や歌などの音楽と相性が良いプロモーションについて見ていきましょう。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
・社名や事業内容の認知拡大
・商品・サービスのブランディング強化
・具体的なサービスの認知拡大
1.社名や事業内容の認知拡大
社名や事業内容の認知拡大を目的としたプロモーションは、音楽との相性が良いです。例えば、家電量販店「ビックカメラ」のCMソング「ビーック ビックビック ビックカメラ」は、そのキャッチーなメロディーと簡潔な歌詞で、誰もが知るフレーズとなりました。
他にも、1989年にCMとして放送されたJR東海の「クリスマス・エクスプレス」も好例です。シンガーソングライター・山下達郎の「クリスマス・イブ」をバックに、俳優の牧瀬里穂が恋人を新幹線の改札口で待つ姿を描いたもので、多くの人々に強い印象を残しました。
このように、一度定着したCMソングは視聴者の記憶に残りやすく、認知拡大に効果的です。CMを繰り返し露出することで、日常生活の中で何度も思い出される機会が増えます。
2.商品・サービスのブランディング強化
商品やサービスのブランディングを目的としたプロモーションも音楽との相性が良く、名前を連呼するような楽曲の採用が効果的といえます。例えば、湖池屋の「スコーン」のCMでは、社交ダンス教室のシーンで講師が「スコーン スコーン こいけや スコーン」と生徒に声をかけるユニークなリズムにより、視聴者は「スコーン」という商品名を自然に覚え、親しみを感じるようになりました。
また、通販サイト「モノタロウ」のCMでは「モノタロウ〜 モノタロウ〜」とブランド名を繰り返し歌っています。サービス名を視聴者の記憶に刻むだけでなく、独特のリズムが一度聞いたら忘れられない印象を与える事例です。
文字だけでは覚えにくい商品やサービスの名前は、キャッチーなメロディーに乗せることで視聴者の記憶に残りやすくなります。
3.具体的なサービスの認知拡大
商品やサービスのブランディングだけでなく、具体的なサービスの訴求を目的としたプロモーションも音楽との相性が良いです。例えば、出前サイトとして知られる「出前館」のCMでは、お笑いタレント・浜田雅功がスーダラ節のメロディーに乗せて「で、で、で〜まえか〜ん 出前がすいすいすい〜」と歌っています。キャッチーなフレーズで出前館の利便性を視聴者に楽しく、そして分かりやすく伝えている事例です。
また、Uber Eatsの「今夜、私が頂くのは…」シリーズもその好例といえます。音楽占有率は低いものの、シリーズを通じてサービス内容をシンプルかつ効果的に伝えています。視聴者はCMを見るたびに、Uber Eatsが提供するサービスの具体的なシーンをイメージしやすいです。
このとおり「〇〇のためのサービス」「〇〇ができる」などの形で、サービス内容を曲に乗せて伝えると、視聴者にそのサービスの特徴や利点を印象付けられるでしょう。
記憶に残りやすいCMソングの特徴
記憶に残りやすいCMソングには、以下のような特徴があります。
・同じフレーズを繰り返す
・心地よく癒される音楽
・映像と音楽にギャップを持たせる
同じフレーズを繰り返す
テレビCMは、15秒から30秒程度と短い時間で視聴者にメッセージを伝えなければなりません。
限られた時間内で同じフレーズを繰り返すと、視聴者は「くどい」と感じてしまうかもしれませんが、実はそう感じた時点で視聴者の記憶に「引っかかり」ができているのです。
同じフレーズを繰り返す場合は、曲調を明るくするなどして不快感を与えないように工夫すると、視聴者の印象に残りやすくなります。
心地良く癒やされる音楽
CMソングが心地良い曲調や癒やされるものであれば、CMソングを耳にするだけで良い気分になる人が増えるかもしれません。
例えば、CMソングを通じて心地良いメロディーが流れてくると、視聴者は「心が落ち着くCM」「何のCMなのだろう」と思い、ポジティブな「引っかかり」を感じます。
このような感覚は、視聴者の興味を引き、商品やサービスに対する関心を高めるため、結果として宣伝効果も高まる可能性があるでしょう。商品のイメージやブランディングと合致した曲調を選ぶことで、ブランドイメージの向上にもつながります。
映像と音楽にギャップを持たせる
テンポや音程に少しだけ違和感を持たせたり、意図的に映像と音楽の間にギャップを作ったりすることも、記憶に残りやすいCMソングの特徴の一つです。
ギャップを持たせることで視聴者の意識を引き寄せやすくなり、これが記憶のトリガーとなります。
例えば、強面の役者が迫真の演技で緊張感を高めたシーンの後に、コミカルでユニークな音楽を流すと、視聴者はそのギャップに驚き、CMを覚えるきっかけにつながるでしょう。
CMソングを制作する際に押さえておきたいポイント
次に、CMソングを制作する際に押さえておきたいポイントを解説します。具体的には、以下の3つです。
・訴求したい内容と曲調があっているか
・CMソングで何を視聴者の記憶に残したいのか
・外注先の制作実績は豊富か
訴求したい内容と曲調があっているか
CMソングは、曲調や歌詞が訴求内容の印象を大きく左右します。そのため、視聴者に伝えたい内容とCMソングをマッチさせることが非常に重要です。
例えば、BtoB向けのCMであれば、信頼感を与えるものが適しているでしょう。一般消費者向けのCMの場合は、親しみやすさや楽しさを感じてもらえるようなものが適しています。
CMソングで何を視聴者の記憶に残したいのか
CMという限られた時間の中で情報を詰め込みすぎると、かえって何も覚えてもらえない可能性があります。
効果的なCMソングを作るためには何を記憶してもらいたいのか、つまり社名やサービス名(商品名)、もしくはそれらの内容のどれかに絞って訴求することが大切です。
前述のとおり、繰り返し企業名を歌い上げる、あるいは映像と音楽にギャップを持たせるなどの方法が効果的です。
外注先の制作実績は豊富か
CMソングの制作を専門の制作会社に依頼するケースもあるでしょう。外部に委託する場合は、依頼先の制作実績をまず確認してみてください。
実績が豊富な制作会社は、多くのCMソングを手掛けてきた経験から、効果的な楽曲を作成するノウハウを持っている可能性が高いです。
CMソングは単なる音楽ではなくマーケティングの一部ですので、制作の技術とマーケティングの知見がある制作会社に依頼することも押さえておきたいポイントの一つといえます。
テレビCMの音楽作成にアーティストを起用する場合の注意点
テレビCMの音楽作成にアーティストを起用する場合は、いくつかのポイントに注意しなければなりません。ここからは、主な注意点について見ていきましょう。
サービスや商品に適したアーティストを起用する
アーティストの持つ音楽のスタイルやイメージは、商品やサービスの印象を大きく左右します。したがって、商品やサービスの特性を的確に反映し、ターゲットとなる消費者に響くものであるかを確認する必要があるでしょう。
アーティストのファン層と商品のターゲットが合致する場合は、CMの訴求力が大幅に向上します。
例えば、若者向けのファッションブランドであれば、若者に人気のあるアーティストを起用することで、商品の認知度と好感度を高めやすくなります。
話題性のあるアーティストを起用する
例えば、一般的に若年層はトレンドに敏感であり、人気アーティストの動向に強い関心を持っています。最新のヒットチャートに名前が挙がるようなアーティストをCMに起用すれば、そのアーティストのファンやトレンドに敏感な若者たちがCMに注目し、商品やサービスに対する興味を持つ可能性が高まるでしょう。
さらに、話題性のあるアーティストはメディアやSNSでも取り上げられることが多く、CM自体がニュースとして取り上げられるケースもあります。CMのリーチがさらに広がり、商品やサービスの認知度が一層高まる効果も期待できるかもしれません。
商品やサービスのイメージ向上につながるかを慎重に検討する
アーティストの持つイメージやパーソナリティは、CMを通じて直接商品やサービスに反映されます。そのため、アーティストのイメージがプロモーションする商品やサービスのイメージと一致しているかを確認することが必要です。
気取りがなく愛嬌のあるアーティストを起用すると、商品やサービスに対する消費者の信頼感や親しみやすさの醸成につながりやすくなります。
例えば、広く支持されているアーティストや、誠実で信頼できるイメージのあるアーティストを起用することで、視聴者にポジティブな印象を与えられるでしょう。
テレビCMにおける音楽はブランド認知に有効な手段
テレビCMの音楽には、視聴者の感情を動かす効果や記憶に残りやすくなる効果があります。
近年は、音楽を主軸としたCMがヒットする傾向にあり、CMの認知や好感度向上に大きく貢献しています。
記憶に残りやすいCMソングを作成するためには、CMソングで視聴者の記憶に何を残したいのかを明確にしCMの効果を最大化する必要があるでしょう。
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