テレビCMの効果測定とは?4つの方法を解説
テレビCMは、認知度の向上や購買促進、ブランディングなどの効果が期待できる広告媒体ですが、昔から「効果検証が難しい」といわれています。
Web広告であれば、クリック数などをツールで測定でき、商品やサービスを購入した人の数も測定可能な一方で、テレビCMはWeb広告のような正確な測定が難しいのが実情です。
そこでこの記事では、テレビCMの効果測定に関する具体的な方法とその重要性を解説します。また、テレビCMの効果を高める方法についても触れていますので、テレビCMの制作をお考えの方はぜひ最後までお読みください。
目 次
テレビCMの効果測定について
テレビCMの効果測定には、主に以下の4つがあります。次項で詳しく見ていきましょう。
・GRPを基に測定する方法
・GAPを基に測定する方法
・Webで解析する方法
・広告調査を実施する方法
GRPを基に測定する方法
GRPとは、特定の期間に放送されたものに限定して、世帯視聴率を合計した数値で測定する方法です。「延べ視聴率」とも呼ばれ、どれくらい多くの視聴者にCMの情報を届けられるかを測定します。
例えば、視聴率が8%の番組が放送されていたとしましょう。この番組が放送されている間にテレビCMを20本流すと、8(%)×20(本)=160GRPです。
さらに、このテレビ番組が毎週月曜日の同じ時間帯に放送されていたとします。週1回で1カ月に単純計算で4回テレビCMを流したとすると、160(GRP)×4(回/月)=640GPRです。
基本的に、GRPの数値は大きければ大きいほど、より多くの人にテレビCMが影響を与えていると判断されます。ただし、視聴者の中にはテレビをつけていても実際には見ていない人もいるため、正確性の面では疑問が残る方法でもあります。
GAPを基に測定する方法
GAPとは「延べ注視率」とも呼ばれ、テレビCMに注視している人を測定する方法です。センサーカメラを利用して、テレビCMが流れている間、テレビをつけている人が画面を注視しているかを確認します。
GAPの場合、テレビを見ていない人は対象から省かれるため、より精度の高い効果測定が可能です。多くのケースではGRPとGAPを併用して、テレビCMの効果測定を行います。
ただし、テレビCMを見た人がその後どのような行動を取ったのかまでは測定できません。視聴者が商品やサービスを購入していない可能性もあり、GRP同様に視聴者の行動が不明な点から、目的を達成できているか正確に確認できない部分もあります。
Webで解析する方法
インターネットの普及により、テレビCMの効果測定方法としてWeb上のデータで解析する方法が注目されています。Webで解析する方法は、GRPやGAPなどのデータと掛けあわせて使用されることが一般的です。
例えば、商品やサービスをテレビCMとして放送してから、Web上でどれくらいの検索数があったのか、または増加したのかなどのデータを抽出します。検索数が増加すれば、テレビCMの効果はあったと判断できるので、有益なデータといえるでしょう。
Web解析で使用される主なデータには、以下のようなものがあります。
・指名検索数
・公式サイトのアクセス数
・Webサイトでの購入数
広告調査を実施する方法
広告調査とは、テレビCMの放送前と放送後でCMを知っている人の人数を調べる方法です。主に使用するデータとして、以下のようなものが挙げられます。
・放映されるエリア
・性別や年代
商品・サービスの認知度を調べるだけでなく、テレビCMの印象などを知ることもできる点から、先々のテレビCM制作にも活用できる点は利便性が高いといえます。
ただし、広告調査を行うためには事前準備が必要です。調査に参加可能な回答者を幅広く集め、アンケート用紙なども用意しなければいけません。
テレビCMにおける効果測定の重要性
テレビCMの効果測定は、広告を効果的に運用するために非常に重要です。ここでは、なぜテレビCMの効果測定が重要なのかについて解説します。
費用対効果の高い広告を制作するため
テレビCMの効果測定が重視されている理由として、効率的な予算の配分や戦略の最適化がしやすくなる点があります。
テレビCMを一本制作するためには、放映費や制作費、役者への出演料など、さまざまな費用がかかるため、場合によっては採算が取れないこともあります。
その点、広告の効果を測定できれば、訴求メッセージやクリエイティブの効果を評価することで、広告の改善やターゲット層のニーズを把握しやすくなります。
成果を適切に評価するため
例えば、GRP・GAP・Web分析の3つの方法を使って効果を測定すれば、テレビCMがどれくらいの視聴者に届けられたのかがわかります。
また、Web分析では検索数・オンラインショップでの購入数などのデータも収集できるため、視聴者のその後のアクションも測定可能です。
テレビCMの目的が、視聴者に商品・サービスを購入・利用してもらうことであれば、これらは一定の測定をしなければCMの効果を評価できません。目的の達成のためにも、効果測定は非常に重要なのです。
テレビCMの効果を上げるためのコツ
続いて、テレビCMの効果を上げるためのコツを見ていきましょう。具体的には以下の4つがポイントです。
・CMの出稿時間帯を考える
・テレビCMの種類を取捨選択する
・目的とターゲットに応じたテレビCMにする
・テレビCMとSNSを連動させる
1.CMの出稿時間帯を考える
テレビCMの効果を高めるためには、出稿時間帯が重要です。例えば、多くの人がテレビを見るゴールデンタイムにCMを流せば、年齢・性別を問わず幅広い視聴者に届けられ、認知度もそのぶん高まる可能性があります。また、テレビCMのターゲット層が明確な場合は、視聴者層を意識して出稿時間帯を選定することも効果的です。
例えば、食器洗い洗剤のテレビCMを流す場合、主夫・主婦層の視聴率が高い時間帯を狙うと、認知度を高めやすく、購入者を増やせるかもしれません。このように、CMの内容や目的、ターゲット層にあわせて出稿時間帯を選定することが大切です。
2.テレビCMの種類を取捨選択する
テレビCMの種類 | 方法 | 期待できる効果 |
タイムCM | 特定の番組の広告として流す方法 | ・ターゲットを絞り込める・CMの内容が記憶に残りやすい |
スポットCM | 番組の指定はせず、時間帯で指定して流す方法 | ・性別や年齢を問わず多くの人に見てもらえる・幅広く認知度を高めたいときに有効 |
テレビCMの種類を取捨選択することも、その効果を上げる有益な方法といえます。
ただし、タイムCMの場合、特定の番組を視聴しない人の認知度は低くなります。また、スポットCMの場合はターゲットが絞り込めず、CMが記憶に残りにくいなどのデメリットもあるため選定には注意が必要です。
3.目的とターゲットに応じたテレビCMにする
テレビCMの目的・ターゲット・内容が合致していなければ、効果を上げることは難しいです。例えば、ターゲット層が同じであっても「新製品の認知を目的とするテレビCM」と「ブランドのイメージ向上を目的とするテレビCM」とでは、広告の内容が異なります。
さらに、ブランドのイメージ向上という目的だったとしても、タイムCMとスポットCMではやはりその内容は変わってきます。
テレビCMを出稿する目的を考えたうえで、対象とするターゲットにあったCMを作ることが非常に重要です。
4.テレビCMとSNSを連動させる
テレビCMとSNSを連動させることも、効果を上げるための方法の一つです。近年、インターネットの普及とともにSNSの利用者が増加しています。中には、テレビを見ないけれどSNSは利用しているという人も多く存在しています。
電通d-campX調べによると、1週間に1回以上テレビとX(旧Twitter)を併用している利用者の割合は約32%(2020年)でした。5年前に行った調査時と比べて、約170%増加していることもわかります。
このため、テレビCMとSNSとの連動企画を行うなどして、SNSで拡散する体制を整えることができれば、SNSのみの利用者にも認知してもらいやすくなるでしょう。
テレビCMと動画広告の掛けあわせも効果的
テレビCMの効果を上げるためには、動画広告との掛けあわせも有用です。近年は、動画配信サービスの充実とともに、動画サイトなどのサービス利用者も増加しています。
日本民間放送連盟による「データでわかるテレビの広告効果」によると、テレビ利用率が86.8%なのに対し、動画利用率が85.1%と、動画サービスがテレビに匹敵するサービスになりつつあります。
しかし、その一方でCM制作にかかるコストや視聴者の印象度については、以下のような結果が出ています。一人当たりのコストや認知率は、テレビCMのほうが高いことがわかるでしょう。
テレビCM | 動画広告 | |
広告を1,000人に届けるためのコスト | 2,380円 | 5,175円 |
広告接触者を100人としたとき、広告を覚えていると答えた人数 | 43人 | 20人 |
ただし、このデータはそれぞれを単独で利用した場合のものです。テレビCMと動画広告の両方を掛けあわせた場合には、効果がより高まるとのシミュレーションデータがあわせて公開されています。
▼1.2億円のキャンペーン例
テレビCMのみ | テレビCM×動画広告 | |
購買 | 134万人 | 147万人 |
広告接触 | 4,324万人 | 4,588万人 |
テレビCMの効果測定はWeb上のデータやアンケートなどを含めて網羅的な分析が鍵
テレビCMの効果を高めるためには、目的とターゲットにあうCMを制作し、出稿時間帯を考え、そのうえで効果測定をしていくことが重要です。プロモーションによっては、SNSや動画広告と連動させる方法も効果的といえます。
また、効果測定は、Web上での調査なども交えて、多角的な結果から分析していくと良いでしょう。
映像制作のプロ集団である「シードアシスト」では、テレビCMをはじめ、動画広告の制作も行っています。企画立案から動画撮影、編集まで自社のみでの一貫体制が強みであり、350社・2,500タイトル以上の動画を制作してきた実績があります。
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