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字幕付きテレビCMの制作に必要なものとは?制作の流れと注意点も解説

記事作成日:2024/08/05

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字幕付きテレビCMの制作に必要なものとは?制作の流れと注意点も解説

テレビCMに字幕を付けると、情報の伝達を格段に向上させることができます。

特に、聴覚障害を持つ人々にとって、音声情報が文字として画面に表示されることは、メッセージの理解を助ける重要な手段です。

そこでこの記事では、字幕付きテレビCMを制作するために必要なもの、具体的な制作のプロセスを解説します。制作時の注意点、導入事例についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

動画制作に関するご相談、お見積もり依頼などお気軽にお問い合わせください。

字幕付きテレビCMの重要性

字幕付きテレビCMの重要性

字幕付きCMとは、音声情報をテキスト化して画面に表示することで、誰もが情報を容易に理解できるようにする広告手法です。特に、聴覚障害を持つ人々にとって有効な手法であり、日本における18歳以上の難聴者の割合が11.6%にも達する現状を考えると、字幕付きCMの需要は高いといえます。

さらに、病院や図書館のように静かな公共の場所では、音声を出せない場合が多く、視聴者がCMの内容を完全に理解するためには字幕が重要です。

このように、字幕付きCMは単に聴覚障害者に限らず、さまざまな状況で情報アクセスの平等を実現するための大切な役割を果たしています。

参考:一般社団法人 日本補聴器工業会 JapanTrak 2022 調査報告

タイム枠における字幕付きCMの受け入れ開始について

日本では2010年に字幕付きテレビCMの放送がスタートしましたが、受け入れ態勢や理解の不足により普及には至りませんでした。

この状況を打破するため、2014年に民放連(日本民間放送連盟)、日本広告業協会および日本アドバタイザーズ協会の3つの主要団体が手を組み、字幕付きCMの推進活動が共同で行われています。

そして2022年、地上波ネットワーク局における受け入れ態勢が整い、全ての放送枠(ネットタイム枠、ローカルタイム枠、スポット枠)において字幕付きCMの放送が始まっています。

字幕付きテレビCMの制作に必要なもの

字幕付きテレビCMの制作に必要なもの

字幕付きテレビCMの制作に必要なものとして、主に以下の3つがあります。次項で詳しく見ていきましょう。

・音声内容を把握できる資料
・10桁CMコード
・字幕なしの原版データ

音声内容を把握できる資料

テレビCMに字幕を付ける場合、CMの原版ファイルから直接字幕を生成する作業が行われます。

しかし、字幕制作においては原版ファイルだけでは不十分な場合が多く、追加でカット表の準備も必要です。カット表とは、映像内の具体的なカットごとの音声内容を詳細に記載したドキュメントを指します。

音声だけでは伝わりにくいセリフや背景音のニュアンスを捉え、字幕として視覚化する際に役立ちます。特に、言葉が不明瞭である場合や、聞き取りにくい部分がある場合、カット表による詳細な指示が字幕制作の精度を向上させるのです。

10桁CMコード

10桁CMコード

出典:共通コード管理センター

10桁CMコードは、共通コード管理センターによって発番される4桁の広告事業者コードと、広告事業者が発番する6桁の素材コードを組み合わせて構成される管理番号です。

これにより、各広告素材が独自の識別子を持ち、確認用IDとしてさまざまな場面で使用されます。

また、10桁のCMコードは全ての広告事業者が発番を申請し、取得する必要があります。

同じ広告であっても、字幕あり・字幕なしを分けて制作する場合には、10桁コードもそれぞれで必要です。

字幕なしの原版データ

原版データとは、字幕が追加される前の映像と音声のファイルで、CM制作の基礎となるものです。

映像の各シーンにおける音声のニュアンスや発言のタイミングを正確に理解するために必要であり、

あとから字幕を追加または修正する際、元の映像と音声に対する影響を最小限に抑えるための役割もあります。

字幕付きテレビCMの制作にかかる時間

字幕付きテレビCMの制作にかかる時間

企業によって納品スケジュールは異なるものの、原版データの受領後、考査用のMP4ファイルを作成するまでに約3日〜5日前後を要します。

また、作業時間だけでなく、確認に要する時間も考慮しなければなりません。追加の調整や修正が必要な場合もあるため、目安として全体で約2週間の日数が必要です。

字幕付きテレビCMの制作の流れ

字幕付きテレビCMの制作の流れ

●字幕付きCM素材搬入基準の改訂字幕付きCM素材の搬入が増加していることから、事前確認のための資料提出を撤廃す

る代わりに、「1.字幕付きCM」にて、同素材の制作に関する留意事項を定め、放送前に

CM素材内容を確認することでその適正さを担保する。

引用:テレビCM素材搬入基準~ CM素材の搬入から返却まで ~【2023年2月改訂版】

 

字幕付きCMは、これまで元となる初号が完成したあとに、CM制作プロダクションと字幕を制作するポストプロダクションが連携を取りながら作成していたため、完成まで期間が長くかかっていました。

しかし、字幕付きCM素材搬入基準の改定によって、ポストプロダクションのみでの字幕制作が可能となり、完成までの時間が短縮できるようになっています。

字幕付きテレビCMの導入事例

続いて、字幕付きCMの導入事例を紹介します。企業がどのように活用しているかを見ていきましょう。

ライオン株式会社

ライオン株式会社は、2023年1月から国内で放映される全てのテレビCMに日本語字幕(※クローズドキャプション方式)を導入しました。

また、同社はもともと2010年から全国ネット番組での字幕付きCMをトライアル放映しており、業界内でも力を入れています。CMは、公式YouTubeチャンネルでも視聴でき、「字幕CM」のカテゴリーもあります。

※クローズドキャプション方式:テレビのリモコンやボタン操作によって字幕表示をON・OFFできる方式のこと

株式会社トヨタマーケティングジャパン

株式会社トヨタマーケティングジャパンは、聴覚障害者や高齢者など聴力に不安を持つ人々に対応するため、字幕付き動画を配信しています。

情報の普及と理解の促進、ブランドの信頼性と親しみやすさを高めるためのコミュニケーションに取り組んでいる事例です。

字幕機能を備えた動画は、聴覚障害者だけでなく、さまざまな状況下で動画を視聴する人々にも配慮しており、音声を再生しづらい公共の場所や静かな環境での使用にも適しています。

味の素株式会社

味の素株式会社は、総務省「CM字幕ワーキンググループ」に参加し、2014年4月から食品業界で初めて字幕付きCM(クローズドキャプション方式)を導入した企業です。

CMに字幕を設けることで、情報のアクセシビリティを高めています。多言語対応の字幕の導入にも取り組む姿勢で、さらに多くの視聴者にリーチすることを目指しています。

字幕付きテレビCM制作の注意点

字幕付きテレビCM制作の注意点

字幕付きCM制作の注意点として、主に以下の2つが挙げられます。高品質な広告を制作するためのポイントを確認し、広告の効果を最大限に発揮させましょう。

・各ルールを遵守しながら字幕を設定する
・事実誤認がないようにする

各ルールを遵守しながら字幕を設定する

テレビCMに字幕を設定するときは、視聴者に誤解や誤認を与えないようにすることが重要です。例えば、実際には話していない言葉や、実際には出ていない音を字幕にはできません。

また、字幕のタイミングも重要です。字幕は対応する音声や映像のアクションと正確に同期させましょう。表示が早すぎたり遅すぎたりすると、視聴者が情報を適切に理解できず、CMの効果を低下させるおそれがあります。

さらに、放送法や広告に関するガイドラインの遵守も不可欠です。公序良俗を尊重し、不適切な内容が含まれないようにしなければなりません。

事実誤認がないようにする

字幕付きCMの制作において、全ての言葉や音を字幕化する必要はありません。

重要なのは、限られた時間内で視聴者に正確な情報を伝えることです。どの情報が肝となる部分なのかを選択し、それらを明瞭かつ正確に伝えることが求められます。

また、CM内で使用する言葉や音がどのように視聴者に解釈されるかを慎重に考慮して制作しましょう。事実誤認のないように、伝えたいメッセージやイメージが適切に字幕として表現されているか確認することが大切です。

字幕付きテレビCMは今後も増えていく可能性あり

テレビCMはアクセシビリティの向上が進んでおり、字幕付きCMの需要は今後も増えていくと考えられます。

さまざまな視聴者が情報にアクセスしやすくなることは、広告の効果を最大化し、広範な視聴者層へのリーチを拡大するために重要です。

もし今、字幕付きテレビCMの制作を検討中の方は、映像制作のプロ集団「シードアシスト」にぜひご相談ください。

シードアシストでは、映像制作の豊富な経験と専門知識を生かし、お客様のニーズにあわせたCM制作をサポートいたします。自社内一貫体制を強みとしており、これまで350社・2,500タイトル以上の実績があります。

「CM制作のリソースがない」「現状のCMでは効果が出ない」とお悩みの方も、この機会にお気軽にお問い合わせください。


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