動画広告の市場規模は?今後の動向と運用のコツを解説
動画広告の市場は拡大の一途をたどっており、今後も需要が高まることが予想されています。そのため、自社のサービスや商品のマーケティングに動画広告の活用を考えている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、動画広告の市場規模や今後の動向について詳しく解説します。さらに、動画広告を使ったマーケティング事例、成功するためのポイントにも触れていますので、動画広告を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
目 次
【デバイス別】動画広告の市場規模・市場予測
出典:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施
株式会社サイバーエージェントと株式会社デジタルインファクトが共同で行った調査によると、2022年の動画広告市場規模は5,601億円でした。これは前年対比133.2%の成長を遂げた数字で、市場が急速に拡大していることがわかります。
また、スマートフォン向け動画広告の需要が4,621億円とパソコンやコネクテッドテレビ(※)と比較して突出しており、実に全体の83%を占めています。前年対比では132.7%もの高い伸びとなりました。
なお、コネクテッドテレビ向け動画広告の需要は540億円で、全体に占める割合はまだ少ないものの、前年対比157.0%もの急成長を遂げており、今後も成長が見込まれます。
※インターネットに接続されており、動画を視聴したりWebを閲覧したりできるデバイスを指します
【広告商品別】動画広告の市場規模・市場予測
出典:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施
続いて、広告商品別の動画広告市場をみてみると、動画コンテンツの視聴中に表示される「インストリーム広告」の需要が大きく拡大しています。
また、インストリーム広告に次いで、アプリやWebサイトの視聴中に表示される「インフィード広告」も著しく成長しており、2022年の市場規模は2,121億円でした。今後も広告商品別の比率はおおよそこのままの割合を維持しつつ、市場は拡大すると目されています。
動画広告業界の今後の動向
動画広告の需要は2023年には7,209億円、2026年には1兆2,451億円に到達する予想で、今後も市場の拡大傾向が続くと期待されています。
一方で、動画広告市場の成熟とともに、動画広告を配信するデバイスや広告媒体、広告のフォーマットなどの多様化も進むと予測されています。そのため、広告効果の最大化を図るには、それぞれの広告の特徴を理解し、特色に応じた広告制作が求められます。
動画広告の市場が拡大している理由
動画広告の市場が拡大した理由として、主に以下の3つがあげられます。
- ・SNSの利用率向上によるもの
- ・動画コンテンツの需要拡大
- ・5Gの普及による通信速度の上昇
次項で、それぞれの理由についてみていきましょう。
SNSの利用率向上によるもの
InstagramやTikTok、TwitterといったSNSは、個人が使うだけでなく企業も活用しています。
近年では、FacebookやInstagram、LINEが24時間で投稿が消える「ストーリー」機能を導入したことで、短い動画を視聴する機会が増えており、間に流れる動画広告を視聴する機会が増えました。
SNS上での動画の視聴や投稿が身近なものになり、動画広告の多様化が進んでいます。
動画コンテンツの需要拡大
動画コンテンツの需要が拡大していることもまた、動画広告市場の成長を後押ししています。新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、自宅で一人で過ごす時間が増えたこともあり、自宅で手軽に楽しめるコンテンツとして、動画はいっそう身近なコンテンツになりました。
スマートフォンでの視聴習慣が定着したことも、より多くの人が動画を視聴する要因になっています。こういった社会的背景により、動画広告を出稿する企業も増加し、市場が活性化したのです。
5Gの普及による通信速度の上昇
5Gとは、正式には「第5世代移動通信システム」と呼ばれ、スマートフォンなどのデータ通信に用いられる次世代通信規格です。
5Gの通信速度は、従来の通信規格である4Gと比較して約10倍もの通信速度を誇ります。通信速度が向上したことで、動画コンテンツの成長の要因といえます。
また、5Gの対応エリアは今後もますます拡大していく見込みであり、快適な動画の視聴環境が広く整備されつつあることは、市場拡大に追い風となっているといえるでしょう。
動画広告を導入するメリット
ここでは、動画広告を導入することで得られる主なメリットについて解説します。
ターゲット層への的確なアプローチが可能
自社のサービスや商品のターゲット層に的確なアプローチができる点は、動画広告の大きなメリットといえます。
特に、SNSの動画広告なら、性別・年齢・地域などの属性別や、視聴者の行動パターンや関心などに基づいた高度なターゲティングが可能です。SNSごとに利用者の多い年代や性別が異なるため、自社のターゲット層と合致するSNSを選択すると、より効果的な広告効果が期待できます。
また、適切な条件を設定しターゲティングをすれば、自社のターゲット層であるユーザーにのみ情報を届けることも可能です。広告費のムダを削減し、効果を最大化するのに役立つといえます。
PRしたい内容を明確に伝えやすい
動画は、文字や写真のみの静止画コンテンツよりも多くの情報を伝えられます。そのため、自社がPRしたい内容を明確に伝えやすいです。
動きや音などの演出を効果的に取り入れれば、視聴者の視覚と聴覚の両方に訴えられるため、商品の魅力を効率よく伝えながら、インパクトのあるコンテンツにも仕上げられます。特徴を最大限に引き出すことができるので、PRしたい内容を具体的に決めておくことで、より大きな効果も期待できるでしょう。
例えば、便利グッズをPRしたいのであれば、実際に使用している場面を動画で紹介することで、使用感や使い方、商品の魅力などが一目瞭然です。
効果測定がしやすい
動画広告は、効果測定が即座に行えるため、内容の調整や新規広告作成のデータ収集に活用しやすいです。「YouTubeアナリティクス」に代表されるように、動画の効果を分析できるツールがいくつもあります。
分析ツールでは、視聴回数や再生率、視聴時間などの重要な指標をリアルタイムで測定できるため、それらのデータをもとにスピーディーに広告を改善し、効果を高められます。
また、ツールによっては視聴者の年齢層や性別が把握できたり、動画のどのタイミングで視聴を終了しているかの統計を出したりもでき、より詳細な調査が可能です。
動画広告を使ったマーケティングの事例を紹介
拡大し続ける動画広告市場において、さまざまな企業が自社商品やサービスをPRするために動画広告を活用しています。ここからは、動画制作・映像制作を行うシードアシストが手がけた動画広告の事例を紹介します。
【YouTube】赤穂化成株式会社様「赤穂の天塩」
YouTubeインストリーム広告の5秒スキップ内に、主力商品である「赤穂の天塩」を訴求したいというご要望のもと制作した動画です。5秒スキップを想定して、冒頭5秒の表現は商品パッケージや文字情報を見やすく配置し、目で見ても音を聞いてもわかるように工夫しました。
「梅干し編」と「50周年編」のどちらの動画も、赤穂の天塩を最大限に生かす方法を最初の5秒で表現しているため、ユーザーが視聴して特徴が伝わりやすくなっています。
【TVer】寺内株式会社様「fanbi寺内」
創業75周年の節目の改装をきっかけに、若い女性に来店してもらうための動画広告を作成したいというご依頼でした。
「fanbi」寺内は、もともとは総合卸売業者ですが、現在は一般の方も買い物できる店舗となっています。しかし、若者層への認知が課題であったため、若い女子大生に親しみを持ってもらえるようなテイストでの動画をご提案しました。ワクワク感を演出するために、あえてイラストと実写の合成で仕上げています。
動画広告を使用したマーケティングで成功するためのポイント
動画広告を活用したマーケティングで成功するためには、動画の企画や構成、準備などにおいて踏まえておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、代表的なポイントについて解説します。
動画広告を配信する目的を明確化する
最初に配信する目的を明確にしましょう。配信の目的があいまいでは、視聴者に何を伝えたい動画なのかがわからず、中途半端な広告ができあがってしまいます。
配信の目的がブランド認知なのか、自社サービスや商品の購買促進なのか、それとも視聴者とのエンゲージメント向上なのかによって、動画広告の内容やアプローチ方法は異なります。
配信の目的を明確にしておけば、具体的な内容や手法を考えやすくなり、作成段階に入っても訴求内容がブレにくくなりやすいです。事前にしっかりと目的を確認し、それらを制作チームのメンバー内で共有して進めることが大切です。
最適なプラットフォームで配信する
動画広告は、自社がリーチしたいターゲットにあわせた最適なプラットフォームを選んで配信することも重要です。
プラットフォームによって、利用ユーザーの属性や心理特性は異なります。例えば、Twitterは10代〜40代まで幅広い層が利用していますが、Instagramは若年層がメインです。
また、FacebookやTwitterは音声OFFで動画広告を再生されることが多いため、ミュートでも伝わるような内容を意識して制作することも大切です。
最初の「5秒間」を意識する
動画広告は、最初の5秒が勝負です。冒頭5秒間で関心を持たないユーザーは、動画を視聴し切ることなく途中で離脱してしまう傾向にあります。
特に、YouTubeで流れるインストリーム広告には、5秒後にスキップボタンが表示され、ユーザーはその時点でスキップするかを選択できます。ユーザーが広告に興味を持たなければ、即座にスキップされてしまうため、冒頭のわずか5秒の間に最後までの動画視聴を動機付ける内容が求められるのです。
動画広告を企画する際には、冒頭5秒でターゲットとなる視聴者の心をつかむ内容となるように、表現や構成を検討するようにしましょう。
複数のクリエイティブを用意しておく
ユーザーは、動画の視聴機会が豊富にあります。日常的に動画広告を見ているため、同じクリエイティブを使い回していると、あきられてしまうでしょう。
さまざまな構成や展開の動画を作成し、ユーザーがあきないように工夫する必要がありますが、素人が作成するとなるとなかなか多彩なコンテンツは用意できません。そのため、動画広告を作成する場合は、プロの制作会社への依頼も検討してみてください。
動画制作を外部に委託すると、自社で制作するよりも当然コストはかかりますが、中には低コストで複数の動画制作を行うところもあります。
動画広告の市場規模は今後も拡大していく見込み
動画広告の需要はここ数年拡大を続けており、今後も市場のさらなる成長が期待されています。企業のマーケティング活動において、動画広告はもはやなくてはならない存在になってきたといえるでしょう。
また、動画広告の制作を検討中の方は、これまでに350社2500タイトル以上の実績を持つ「シードアシスト」にお任せください。
シードアシストでは、テレビCMなどの実績豊富なブランディング・マーケティング戦略のプロが、認知拡大から購買促進に効果的な動画作成をサポートします。
自社内一貫体制で制作しているため、中間マージンを省くことで高クオリティかつ低コストを実現しています。
「現在の動画広告では成果が出ない」「商品やサービスの知名度を上げたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
シードアシストでは、動画制作をお考えのお客様のご相談を受け付けております。
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